コロナ後の観光産業

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世界各国が導入した厳しいコロナ対策が行き過ぎであったと信じる人たちが今でもいますが、それは彼ら曰く「コロナウイルスの致死率がそれほど高くない」からです。彼らは自分たちが間違っていることに気づいていません。なぜなら、国民に差し迫った危険が及ばない限り、政府は自国の経済を危険にさらすことはないからです。

もし、このような対策がとられなかったら、私たちは今でもワクチンを手にすることができず、病院は過密状態で、医療従事者は病に倒れ、死者の数は急増していたでしょう。だからこそ、この災禍から私たちを解放し、ようやく世界を元の状態に戻してくれたことに対して、政府や医療従事者に感謝しなければなりません。

2020年から始まったコロナ禍によって、今年は世界中の多くの企業にとって地獄のような1年になりましたが、おそらく最も甚大な打撃を受けたのは観光産業です。2020年にスペインを訪れた外国人観光客が例年と比べて77%減となった事実は、この年の観光産業がどれほど麻痺していたかを物語っています。これは業界にとって大打撃であり、国全体の経済状況にも反映されます。

悪い状況からでも何かポジティブなことが学べるはずです。例えば、数か月にわたり、世界中が「閉鎖」されることは、パンデミックがなければあり得ませんでしたが、結果的に環境や動植物、そして地球の気候にとって好ましいこととなりました。残念ながら人類は自分たちが築いたものをあっという間に破壊することができるため、地球規模の問題はまだなくなっていません。将来的には、観光産業は持続可能性に焦点を当てるようになるでしょう。ようやく私たちは環境保護の重要性に気づいたように思えるからです。

パンデミック発生時、多くの人は国外にいて、世界各地で行われたロックダウンのため帰国する手段がありませんでした。また、スピードや価格といった飛行機が提供するメリットにもかかわらず、人々は飛行機ではなく車による近場への旅行を選ぶようになっていることが統計によって明らかになっています。この傾向がいつまで続くか分かりませんが、人々は旅行先がなるべく自宅に近いほうがより安全に感じ、旅行の計画をより綿密に立てるようになると、近い将来思われます。旅行代理店の存在には理由があります。個人で旅に出かけた冒険家は自国に帰れませんでしたが、代理店の多くは、顧客を安全に帰国させることができました。

これまで観光は、国が観光客をどのように扱おうと人気がありました。観光産業が回復するには、状況が根本的に変わる必要があります。各国はアクセシビリティやクオリティの向上に努め、旅行者自身の体験に主に焦点を当てて考える必要があるでしょう。できるだけ多くの潜在的な顧客を再び呼び込み、惹きつけるには、旅行会社は国の支援を受けながら、平和、ボランティア、スピリチュアル、ウェルネス、宗教など、さまざまなタイプの観光を企画する必要があります。

つまり、私たちが団体として声を上げ、個人の権利のために戦い、地球とそこに住む生命の保護と維持に努めれば、お互い協力して観光で成功するだけでなく、それと同時に利益よりはるかに重要なことに焦点を当てた観光事業を生み出すことができるように思われます。